この記事でわかること
野営章のねらい
野営章取得のための考査細目
野営章取得のヒント
野営章のねらい
屋外でも快適な生活を送る
キャンプはボーイスカウトとは切っても切れない基本の活動です。
キャンプ生活はハイキングと同様、楽しいレジャーという側面を持ちながら、普段の家庭や学校では得ることのできない様々な経験を通し青少年を成長させます。
ボーイスカウトの始まりがブラウンシー島での実験キャンプであったように、自然の中で仲間たちと楽しく過ごす生活は、身体的・精神的に大切な多くのものを与えてくれます。
野営章では、そんなスカウトキャンプに必要な知識を体得し、普段の生活と比べ注意すべきことが多く、不便な自然の中でも快適に生活することを目指します。
また、野営章で得ることのできる知識は、キャンプ中だけでなく、昨今、激甚化の一途をたどる災害の発生時においても、避難生活に大いに役立つ知恵となります。
ボーイスカウトの根幹ともいえるキャンプについて深い知識を要求する野営章に挑戦する皆さんへのヒントです。
野営章 考査細目
- 入団以来通算10泊以上のキャンプ(3泊以上のキャンプに2回参加したことを含むこと、また自分が計画した班キャンプを含むことができる)に参加していること。
- 自分が参加したキャンプを報告書にまとめ、提出する。
- キャンプ地を選ぶときの基本的な条件と自然環境を保護するための注意点を説明し、班キャンプにおけるサイト設計図を作成し、そのキャンプ地に合った班サイトを構築する。
- 実際にサイト設計図を作成し、隊長の前で設計の意図、注意した点などを解説する
- 家型テントとドーム型テントを含む、代表的なテントを3種以上張り、特徴、用途を説明できること。
- 実際に設営を行い、隊長に説明する。
- フライ付き家型テントを正しく張り、昼と夜、晴天と雨天、強風時に応じた綱の張り方ならびに支柱、ソドクロス、換気窓、扉の扱い、乾燥作業ができること。また、ドーム型テントの強風時および雨天時の対策、乾燥作業ができる。
- 隊長の前で実演する。
- 木、竹などの材料を用い、正しいロープ結びを用いてキャンプ生活に必要な用具や設備、立ちかまどを含む3種以上を製作すること。
- 隊長の前で実演する。または、実施報告書を提出する。
- キャンプの衛生について、次の各項に分けて説明ができること。
- 湿気の防止と乾燥作業の必要性とその方法
- 寝るテント内に食品を貯えることの有害な理由
- キャンプサイトにハエを発生させないための対策
- 隊長の前で、それぞれの項目について口述または記述する。
- 夜のキャンプサイトにおける正しい明かりの取り方を理解していること。また、ホワイトガソリン、灯油、ガス、乾電池を使用するキャンピング灯火を3種類以上使用した経験があり、取り扱い上の注意事項・特徴・手入れの方法が説明できること。炊事用コンロの正しい取扱いが説明できること。
- 隊長の前で実演後、注意点などについて口述または記述する。
- 2泊以上のキャンプに必要な個人携行品を身につけて点検を受けること。
- 携行品について記述し、実際にパッキングを実演する。
野営章の考査細目はすべて隊長が認定可能です。
野営章取得のヒント
技能章挑戦は自分の為だけにあらず!
技能章取得だけでなく、進歩に挑戦するとき全般に言えることですが、班の仲間と協力し技能章細目にチャレンジしたり、発表や実演を隊集会の際に行うことは、自分の細目挑戦の負担を軽くするだけでなく、自分では気が付かない思わぬ発見が有ったり、自分が技能章挑戦で得た知識や経験を後輩やほかの隊員たちと分かち合うことができ、仲間たちに貢献することにもつながります。
- 期間、泊数、場所、参加人数、隊/班キャンプ種別、活動内容をまとめた報告書を作成する。
- 上進した時点で何時1級章を取るか逆算し、泊数が足りなくならないよう、積極的に参加する。
- 「3泊以上のキャンプ2回以上」には、隊単位で参加したキャンポリー、ジャンボリーは含めることができる。(IST参加等は含めない)
- 条件や注意点を表などにまとめる。図や写真があるとわかりやすい。
- サイトにはテントの他、食堂フライやキッチン、トイレなど必要なものを忘れず配置する。
- サイトの出入り口ゲート、土地の傾斜等にも注意する。
- 配置の意図などコメントも書き込んでおく。
- プレゼンテーション手法などを取り入れ、相手に良く伝わる工夫をする。
- テントを張る方法だけでなく、風向きや天候に配慮する方法を確認しておく。
- 一般的なテントだけでなく、シェルターなども含める。
- 設営する土地の土壌に合わせた正しい固定方法を選択する。
- 正しい設営・収納方法に注意する。
- テント各部の正しい名称、扱い方などをよく確認する。
- 雨天の対応については、キャンプ場のルールや環境にも配慮する。
- 乾燥作業はテントにダメージを与えないように配慮する。
- 書籍に載っているものだけでなく、自分の経験に照らして必要と思うものを考える。
- 各部に合わせた正しい結索法を用いる。
- ただ制作するだけでなく、長期の使用に耐える頑丈さを持たせる。
- すべての項目において、衛生を確保するという視点から考えると良い。
- 原因→観察・分析→予想・推理→対策(→実行→結果)→考察の手順で考えてみる。
- 明暗の差の設定など、安全に夜が過ごせるように配慮する。
- 光による害虫対策にも注意を払う。
- 実演の際には留意しなければならないポイントを説明しながら行う。
- 自分の経験やほかの班員の意見も聞きながらリストを作成する。
- スカウト書籍だけでなく、学校の図書室にある本やアウトドア系雑誌も参考にする。
- パッキングは活動することを前提に、緊急時の取り出しやすさや重心位置に注意する。
- 活動しやすいようにフィッテングさせるため、ザックの各種ハーネスの役割を確認・調整しておく。
班集会を企画したり、集会の連絡を貰った時には、自分の挑戦中の技能章や進級課目の中に絡められるものがないか確認し、グリーバーや隊長と相談しながら積極的に利用すると良いでしょう。
まとめ
- 菊スカウト章取得に必要。
- スカウトキャンプに必要な知識を持つ。
- ハイキングを通して、野外だけでなく普段の生活にも生かせる生活の知恵や心構えを知る。
- 技能章挑戦を通して仲間に貢献する。
より良いスカウティングを目指しましょう 弥栄