ベンチャー隊

【衛生・安全】技能章:野外炊事章のねらいと取得のヒント【計画・改善】

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この記事でわかること

野外炊事章のねらい

野外炊事章取得のための考査細目

野外炊事章取得のヒント

野外炊事章のねらい

調理スキルと計画性

スカウトキャンプは野外であっても普段と変わらぬ快適さを求めながら「生活」することが求められます。

炊事作業は、刃物や火気など危険な要素から身を守る安全対策を考える力や、自分だけでなく班員の健康を守るための衛生対策に対する知識も求められます。

また、自らの経験とスキルで足りないものを作り出し、生活を日日改善していく必要もあります。

上記の通り、野外炊事章は単に調理するだけでなく、野外での炊事作業全般に対し広い知識が求められます。

野外炊事章の取得は、炊事のスキルだけでなく、生活の様々な事を一つ一つを注意深く見つめ、無理のない安全な計画を立て、実践の中で改善していく能力を得ることにもつながるのです。

野外炊事章 考査細目

  1. 戸外で、あり合わせの材料を用いて、地面を掘らない方法で、3種以上のかまどを作ること。また、常設かまどの正しい利用方法と注意点を説明できること。
    • かまどの制作および利用方法、注意点を口述または記述する。また、3種のかまどに関しては、制作報告書でも良い。
  2. ホワイトガソリン、灯油、ガスを使用するキャンピングストーブ(コンロ)と自然保護の関係について理解していること。また、1機種以上のキャンピングストーブを使用して炊事をした経験があり、取扱上の注意事項・特徴・手入れの方法が説明できること。
    • 使い方を実演し、注意点などを記述または口述する。
  3. マッチに防水加工を施し、携帯用の防水容器に入れて提出すること。(1級章課目 3.スカウト技能⑴キャンピングの③と共通)
    • 実際に制作し、容器に入れた状態で提出する。
  4. 班の炊事係として、次の野外料理を作ること。
    • 食用野草を含む野菜料理 2種以上。
    • 牛、豚、鶏などの肉料理 2種以上
    • 塩干魚および生魚の料理 2種以上
    • 小麦粉を用いたダンパー、またはツイスト
      • 炊事係として実際に調理を行う。
  5. 川などの自然水を使用するときの簡易ろ過装置を図解し作成する。また、ろ過後の水および生水の滅菌ができること。
    • 実際に制作、実用し、記録を報告書にまとめ、提出する。
  6. 非常食(簡易食品を含む)5種をあげ、その扱いを知ること。
    • 隊長の前で記述または後述する。
  7. 炊事用具の正しい使用と管理ができ、次の項目が実演できること。
    • 包丁を用いて、料理に応じた野菜の切り方、魚の3枚おろし。
    • 使用する炊事用具で食中毒を引き起こさないための衛生管理方法。
      • 管理などについて説明した後、実演する。

野外炊事章の考査細目はすべて隊長が認定可能です。

野外炊事章取得のヒント

技能章取得だけでなく、進歩に挑戦するとき全般に言えることですが、班の仲間と協力し技能章細目にチャレンジしたり、発表や実演を隊集会の際に行うことは、自分の細目挑戦の負担を軽くするだけでなく、自分では気が付かない思わぬ発見が有ったり、自分が技能章挑戦で得た知識や経験を後輩やほかの隊員たちと分かち合うことができ、仲間たちに貢献することにもつながります。

①かまどの制作・管理
  • 地面を掘らないかまどについては、実際に制作するほか、制作報告書を提出してもよい。
  • 報告書には写真設計図、使用する結索法の他、実際使用するにあたっての耐久性や安全性も記録する。
  • 常設かまどについては、個々のキャンプ地に合わせた、使用申請手続きも含めた方法を説明する。
  • 後始末についても、個々のキャンプ場の実情を確認しその方法に従う。

火気の使用
  • 自然環境の影響については、地球規模のものの他、身近な影響についても説明するとよい。
  • キャンピングストーブの実演は、調理とメンテナンスを行う。
  • 実演は説明書を熟読し、正しい扱い方を熟知したうえで行う。
  • 各使用・メンテナンス段階において想定される危険など安全に留意した説明しながら実演を行う。
③防水マッチ
  • マッチ棒の着火役部分をコーティングすることで防水処理を行う。
  • 溶けた蝋で行うと乾燥も早い。
  • 風邪薬などの錠剤の瓶など、家庭で不要になった物でも防水容器は準備できる。

班の炊事係
  • 期間中通した炊事計画書を作成し、それに沿って炊事を行う。
  • 計画書には材料の買い出しから片付けまで通した計画を記入する。
  • 家庭科の教科書や参考書も活用できる。
  • 積極的に家庭での炊事に参加することで、経験を積み、計画性を含めた調理スキルを高めておく。
  • 技能章取得後も継続して家庭での仕事を引き受ける

⑤水の浄化
  • 水道水以外の水にはどんな危険があるかを知る。
  • 危険を取り除くためにはどうすればいいか知る。
  • 上記知識をもって簡易ろ過装置を設計・作成する。
  • 滅菌する際は、滅菌だけでなく、飲用や生活用水に使用できる程度に浄化されている必要がある。
⑥非常食
  • 非常食に求められる特徴について調べる。
  • 行動食との混同に留意する。
  • 防災用の非常食のほか、キャンプや登山といった野外活動の非常食についても考える。
  • 写真やイラストで紹介するほか、実際に実物を作成し提出して説明するとい。

⑦調理器具の使用と管理
  • 調理器具の管理は、衛生管理の他、安全な使い方、正しい維持・メンテナンス、防犯管理等が含まれる。
  • 炊事係の項目と同様、家庭内で十分に経験を積む。
  • 食中毒予防には調理器具の滅菌の他、手指の消毒や使い捨て用具の活用も考えられる。

班集会を企画したり、集会の連絡を貰った時には、自分の挑戦中の技能章や進級課目の中に絡められるものがないか確認し、グリーバーや隊長と相談しながら積極的に利用すると良いでしょう。

まとめ

野外炊事章
  • 菊スカウト章取得に必要。
  • 野外での食事に必要な知識を持つ。
  • ハイキングを通して、野外だけでなく普段の生活にも生かせる生活の知恵や心構えを知る。
  • 技能章挑戦を通して仲間に貢献する。

より良いスカウティングを目指しましょう  弥栄