チームシステム
小さな組織運営を経験し、責任感やリーダーシップを実体験から養う!
ボーイスカウトは世界的な教育運動です。
ボーイスカウトでは「青少年がより良い社会人に成長していくことに貢献する」ため、8つの教育的要素を持つ「スカウト教育法」を形成しました。
8つの要素はそれぞれに影響し合いながらお互いの効果を高め合う役割を果たしています。
↓ボーイスカウト教育システム↓
今回は、8つの教育的要素の「チームシステム」について少し詳しく紹介します。
この記事でわかること
「チームシステム」の教育的効果
回答
社会性や責任感、リーダーシップを実戦経験を通して伸ばしていくシステムです!
ボーイスカウトでは8人以下程度のチームを最小単位とし活動します。
複数のチームが集まり「隊」を形成し、複数の「隊」が「団」を形成。更にその上に「地区」「都道府県連盟」「ブロック」「日本連盟」「WOSM(世界スカウト機構)」とグループは続いていきます。
チームの一員として、自分に求められる務めを果たすことや、チーム同士での活動の調整を通して、様々な教育的効果を狙っています。
代表的には下記のものがあります。
- 個人として、チームとしての責任感・リーダーシップを伸ばす。
- 様々な経験を分かち合いお互いの信頼関係を築く。
- 組織の運営を体験的に学ぶ。
解説
上記3つを解説します。
小グループの一員として、自身に任された役割をこなしながら、興味と自信、リーダーシップ・責任感を伸ばします。
小グループの中では、「自分がしなくとも誰かがやるだろう」は通用しません。家庭や学校学校生活ではごまかして逃げることができた責任を着実に果たす必要があります。
また、少人数では役割の重要度が相対的に増すため、自分の役割を果たさなかった場合の経験も実践的に知ることができます。ただし、その影響は小グループの中にとどまることが多く、社会に出て大きな責任を負う前に、「小さな失敗」を積み重ねながら、社会の中の自分の重要度(=責任)を実際の体験から学ぶことができます。
自らの重要度を実感することは、子ども達に大きな自信を与え、自主的にチャレンジできる自立した大人へと成長することができます。
務めを果たすことによって、自らの属するチームに貢献する経験を積み重ね、「良いことをする」楽しさと大切さを知っていれば、子ども達の人生を幸福なものにしてくれます。
最後に、少人数のチームは、お互いをよく観察し長所も短所もよく理解することもできます。これにより、適切な仕事の割り振りや、自分の気がついていない能力に気がつくこともできます。
これらは、社会に出たあと「問題解決能力」や「リーダーシップ」と呼ばれる能力です。
チームシステムは、上記のような力を実践から育てます。
通常の社会では、下の図のように指揮者がチームリーダーに指示を与え、行動します。
しかしボーイスカウトでは以下のような形をとっています。
それぞれのチームと成人指導者、チームリーダーには上下関係はありません。
それぞれが、調整会議を経ながら時に協力し、ときに競い合いながらお互いを切磋琢磨しています。
このシステムにより、子ども達は一つのコミュニティを協力しながら運営する仲間となります。お互いがチームのために最善を尽くして貢献することで、学校や家庭生活では決して得ることのできない信頼関係を持った仲間を作ることができます。
仮に、学校や家庭に居場所がなく辛いと感じても、自分を信頼し必要としてくれる世界があると知っていることは、子ども達の心にも安心感と安定をもたらします。
また、上記の図の通り、大人は対立する口うるさい相手ではなく、協力できる仲間なのだと知っていれば、学校や家庭、地域社会での大人との良好な関係を作ることもできます。
少人数であれば、否応なく組織の運営に参加することになります。
学校や家庭ではなんとなく任せっきりにすることができても、ボーイスカウトの会議ではそうはいきません。
自分の意見を表明したり、自分が考える問題解決手段を仲間たちに説明しなければなりません。仲間に対してもまた、平等です。同じように相手の主張やアイディアを聞くことも必要になります。
ボーイスカウトでは、自ら主体的に意見を持ち、仲間と調整しながら一つの問題を解決することを繰り返しながら活動していきます。
自分の意見が採用されることもあれば、チームとして出した決定が自分の意志と背くこともあります。しかし、チームの決定を受け入れ、チームのために行動することで、自分の責任を果たす経験は、仕事や地域社会に積極的に参加、運営していける力を伸ばします。
まとめ
自らのつとめを果たすことで責任を自覚する。
小さ成功や失敗を繰り返し、自主的にチャレンジできる自信を育てる。
お互いをよく観察し、個人の特性を活かす。
仲間と協力し、組織を運営する経験を得る。
学校でも家庭でもない心の拠り所となる。
大人との適正な関係を築く。
仮に自分の納得しない決定でも、組織のために協力できる力を育てる。
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