この記事でわかること
ボーイ・ベンチャースカウトの選択課目ってなに?
進級に必要な技能章について
技能章考査員ってどこにいるの?
ボーイ・ベンチャースカウトの選択課目
スカウトの個人プログラムには必修課目である「進級課目」の他に、選択課目として「技能章」が用意されています。
ボーイスカウトの創始者、ベーデンパウエル卿は、バッジシステムの中の技能章について次のように述べています。
「技能章の目的は欠点を直すことを助け、性格と肉体的健康を増強することにある」
「技能章のねらいは、少年たちが興味を持つ問題を自分で学ぶよう励ますことである」
技能章は、チャレンジ章と同様、スカウトの興味関心に基づき自主的に課目を選択しチャレンジすることができます。
スカウトが自分に与えられた時間を有効活用し、技能と知識を高めると同時に、自分でも気が付いていなかった新たな可能性を発見するきっかけとなります。
技能章の課題の中には、社会生活に役立つものや、文化的なもの、スカウト技能を中心としたものなど、80種類以上もの幅広い選択肢があります。
技能章は、その取得を通じて得た知識や技能を、自分のためだけでなく、社会に役立て、職業選択の視野を広げ、人生を通じた趣味に出会うなど、人生にとって大きな役割を果たすことを期待しています。
↓進級課目について詳しくは下記まで↓
技能章の特徴
技能章には、大きな特徴が3つあります。
- 高度な課目を持つ幅広い選択肢が80種類以上。
- 2級スカウト以上が挑戦可能。
- 技能章考査員が考査を担当。
技能章は取得を目指す分野に対し、「知識」を持っていることはもちろんの事、実践できることを要求されます。
例えば、計測章では計測の技能を持つことはもちろんの事、計測を取り入れた集会を計画し、班長会議に承認されたうえで実施し、報告書を提出することが求められます。
技能章は元来、1級以上やベンチャー年代(高校生)を想定して作られたものをベースに運用されているため、非常に高度な課題設定となっています。
初級スカウトは、まずは全力で2級スカウト章取得を目指し、憧れの技能章取得を目指します。
ただし、初級スカウトでも、集会などで技能章の細目を履修した場合、バッジ取得はできませんが履修は認定されます。
技能章の認定は、一部を除いて、その分野に高度に精通した「技能章考査員」によって行われます。
技能章考査員は県連盟から委嘱され、必ずしも、ボーイスカウト加盟員とは限りません。地域で活動する方に奉仕とし考査員をお願いしている場合もあります。
技能章取得の活動は、ボーイスカウトの枠にとらわれず活動することになります。ぜひとも、地域社会をより良くし、自分をより成長させるきっかけとして生かしてください。
進級課目と技能章
前述の通り、技能章はスカウトに興味関心により、自身で取得を計画し挑戦していきます。
ただし、1級章以上の進級課目には、指定の技能章取得を求める課目があります。これは、1級以上のスカウトすべてが身に着けてほしいスカウト技能や、社会的知識が指定の技能章課目に集約されているためです。
必要な技能章
- ハイキング章
- スカウトソング章
課目の例
- ハイキングで野帳をつけ、またその野帳によって略地図を作る。
- セレモニーで連盟歌の指揮を正しく行う。
必要な技能章
- 野営章
- 野営炊事章
- リーダシップ章
課目の例
- 入団以来通算10泊以上のキャンプ(3泊以上のキャンプに2回参加したことを含むこと、また自分が計画した班キャンプを含むことができる)に参加していること。
- 班長または次長(ベンチャースカウトの場合は議長またはチーフ)として、6か月以上、隊運営に携わる。
※菊章までに必要な技能章については、隊長が考査・認定することが可能です。
必要な技能章
- 救急章
- パイオニアリング章
課目の例
- 県連盟、地区単位で設置される救護所の奉仕や隊活動、キャンプでの救護係を通算5日以上担当し、その報告書を提出する。
- 次のいずれか1種を選び、これを構築する。
ア) 100kg以上の荷や人を積めるいかだ
イ) 幅30cm以上、長さ3m以上でリュックを背にしたスカウト1人ずつが安全に通れる軽架橋
ウ) 頂上でスカウト1人が安全に作業できる高さ4.5m以上の信号やぐら
必要な技能章
- 野営管理章
- 公民章 (隊長認定)
課目の例
- 野営計画時において次の項目について点検し、点検報告書を作成する。
ア) キャンプ地の選定(水質検査を含む)
イ) 食料および燃料の手配
ウ) 便所とごみ捨ての衛生処理
エ) 班サイトの立地条件(炊事場・かまど配置条件を含む)
オ) 現地における緊急対策 - 次のうち、1つを選んで説明する。
ア) 国民の権利、義務、責任
イ) 民主主義と基本的人権
ウ) 日本国憲法の三大原則
技能章考査員の探し方
技能章考査員・指導員は各都道府県連盟が委嘱し、名簿を作成していますので、各隊指導者に確認すれば、教えてもらえます。
大変残念ながら、「うちの連盟に、その技能章の考査員は居ない」の一点張りで紹介を拒否する指導者が存在すると聞きますが、仮に、都道府県連盟に特定の技能章考査員がいない場合でも、他連盟と連携をとる等、方法はありますので、指導者はスカウトの自主性とやる気を伸ばす指導を、スカウトは、自分の興味関心を大切に、あきらめずチャレンジしてみてください。
まとめ
- ボーイスカウト以上の選択課目。
- 2級スカウト以上が挑戦可能。
- スカウト自身の時間を利用し挑戦。
- スカウト自身の興味・計画によって行う。
- 様々な個性に応えるため、80種類以上が用意される。
- 一部を除き、技能章考査員が考査。
より良いスカウティングを目指しましょう 弥栄