この記事でわかること
- カブ隊のさだめの内容は?
- 込められた意味は?
- どんな役に立つの?
カブ隊のさだめ
- カブスカウトは すなおであります
- カブスカウトは 自分のことを自分でします
- カブスカウトは たがいに助けあいます
- カブスカウトは おさないものをいたわります
- カブスカウトは すすんでよいことをします
ボーイスカウトでは子ども達が「自律」できる大人へと成長していく行動指針として「ボーイスカウトのおきて」を設定しています。
カブ隊のさだめは、小学校中・高学年の子供たちに合わせ「ボーイスカウトのおきて」をアレンジしたものです。
解説
社会と調和する最も重要な能力
「すなおである」ことには二つの意味が込められています。
- 目上の人の意見や仲間の忠告に意地を張らず受け入れ実行できる心の広さを持つ。自分を進歩・成長させるためには広くいろいろな意見を取り入れる。
- 民主主義のルールとして、仲間の決定に従い積極的に協力する。
自分の意見を持ち積極的に述べることは大切です。しかし、みなで一旦決定したことには素直に従い協力するのが、仲間としての義務です。
特に、新たなコミュニティに参加する際はメンバーに認めてもらう必要があります。自己主張や依存心が強すぎては仲間外れにされてしまうこともあります。大人の介入によってむりやり仲間にさせても双方にとって大きなストレスとなってしまいます。
楽しく活動に参加するためには、自分はどう有ればいいのか、自分はどう行動すれば仲間と打ち解けることが出来るのか考える必要があります。
他の人々を助けるための基礎力
「自分のことを自分でする」ということは、すすんで他の人々を助けることが出来ることの前提条件です。
カブスカウト年代は、保護者や周りの大人からの支援がなければ生活していくことが出来ない年代ではありますが、自分でできることも少しはあるはずです。
いきなり大きな責任を任せたりせず、自分の身の回りの小さなことから始め、「やればできる」という自信を積み重ねることが大切です。
この積み重ねが、ボーイスカウトのおきての「いつも他の人を助ける」力の基礎を育てます。
他人からの信頼される・他人を理解できる力
人間社会は、多くの人間が互いに協力し合って成り立っています。独りよがりな人間では、互いに助け合うことはできません。話し合い、お互いの立場を理解することで協力し合うことは大人にも難しいことです。
ましてや、カブスカウト年代の子供のとっては非常に困難です。子供が勝手なこと・わがままなことなふるまいをした際に、「たがいに助け合います」って約束したよね?と周りの大人が辛抱強く繰り返し支援することが大切です。
また、良い友達を作ることはこの年代の子供にとって非常に有益なことです。隊や組のほか、学校やその他の活動でも良い友達を作るには積極的に友達になる努力が必要です。受け身にならず、お互いが助け合うことでお互いの信頼や理解が深まり、良い友達となります。
責任感あるリーダーシップ
力の強いもの、能力のあるものが、力の弱いもの、能力の低いものをを助けるのは、社会を生きる者の義務です。
また、お互いが足りないものを補い合うことが出来るのが社会のあるべき姿です。
カブ隊では年齢の違うスカウトが同じ組に所属することで、学校生活や家庭では気が付きにくい、自分より年齢の低いスカウトとの能力の差、自分に課せられた他人への義務に気が付くきっかけを体験から得ます。
その体験は、子供を「悪しきボス」ではなく「おさないものを助けるよき先輩」への成長を促し、子供自身の指導性(リーダーシップ)を養います。
また、「おさないものをいたわる」考え方は動物や植物、自然環境などを愛する心につながり、力づよく心優しい人間を育みます。
自主的な行動力・永続性
カブスカウト年代は正義感が非常に強い年代です。
子ども達はつねに何かをしたがるものです。その欲求をを良い方向へ導き、自発的に行動し、時に失敗しながら「よいこと」を学びます。
子ども達の話を聞き、励まし、子供たちのアイディアを実行させ、「進んでやる」という意欲を喚起させ、自らの意志で行動できる人間への成長を促します。
この年代では、仕事そのものの結果よりも、「自分で決める判断力」「実際に行動力」「長く続ける永続力」を養うことを期待し活動します。
まとめ
- 社会と調和する力、「従うこと」を学ぶ
- 「自律」を目指し、他人を助ける基礎力を磨く
- 協力し合い、他人を理解し、信頼される人間を目指す
- 年少者いたわる経験から正しいリーダーシップを学ぶ
- 自主的な行動力・よいことを続ける力を伸ばす
より良いスカウティングを目指しましょう 弥栄